無事完走したので完走の感想をば。
賛否両論わかれる作品だと思うけど「BLACKのことが好きになりすぎてしまった人たちが作った」意思が熱すぎたからわたしは好きです。作り手の意志が見える作品が私は好きなんや…。
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「何もかも連綿と続いていく」からこそ「悪は尽きない」をオチに持ってきたの、ニチアサだと絶対できない決着だったし、大人向けの所以はここにあるなぁ。
やっぱりニチアサってヒーローなので「悪いやつを倒す」ことがそのまま解決につながってそこでお話は終わるけれど、「でも果たして倒したところで残った側から悪は生まれないのか」までは書かないんですよね。
最後、葵ちゃんはあのままいくときっとテロに近いものを起こしてしまうし、それがきっと新たな悲しみを生むし、そこから新たな悪も生まれるしでもうイタチごっこの領域を出ない。でもそうやって繰り返してきたのがヒーローがいない私たちの世界なんだよなぁ。
悲しみの連鎖を断ち切る、なんてよく聞く言葉も所詮ファンタジーで、もしどこかで復讐を止めたとしても、また別の悪がどこからか湧いてくるだけなので、みんなが幸せなんてありえない。それでも戦っていかなきゃいけない。
9話の葵ちゃんが直接こっちに訴えるような演出の意図もそこにあると思うので。
ニチアサ側の人ではない外部の人じゃなきゃ書かない仮面ライダーにBLACKへの過激なリスペクトを添えてだった気がする。
だからわりとガバってる部分はあるし、小物の造形とかもっとできただろ!?と思うんだけど、何せ「西島秀俊」と「中村倫也」が対峙するという画があまりに強すぎるのでもうそこで全部許してしまうみたいなところはある。わたしもたいがいガバガバだよ。
10話の変身とか最高すぎてもうその辺にずっと転がってる創生王の死体とかどうでもよくなっちゃったもんな。いやでも創生王もっとCGでよくないとは思った。
光太郎と信彦の対比構図も全体的に決まっててよかった。
信彦だと市中で怪人たちのデモ隊に向けてする演説とゴルゴム党でする演説の内容がほぼ同じなのに全く違うのとか、光太郎だと最後の葵ちゃんと光太郎とか…。
葵ちゃんと光太郎のくだりは普通に泣いちゃったよ。だってあんなのずるいじゃん!?!?でもその意思を引き継いだ葵ちゃんは……。
スプラッタ要素(まさかあんなほいほい首が飛ぶとは思わなかった)も含めてとにかく大人向けだな~と思ったし、大人向けでもさらに人を選ぶけど……。
というか、BLACK SUN世界の人がめちゃくちゃ普通なおかげでゼンカイ世界の人たちの度量の広さに改めて「全員人生三回目?」になった。BLACK SUNが殺伐としすぎてるというより、ゼンカイがあまりに陽キャ。
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