DEATH TAKES A HOLIDAY 完走の感想
デスホリ完走お疲れ様でした!!!
本当ありえん多忙の中で始まり、ただでさえその前の週までフェスでてるのにカミガタの演出にも一枚噛んでるとか言い出し、ゲネの取材では歌詞が飛んでとか本人が言い出してはらはらする中で迎えた作品だったので無事に完走できて本当によかった!!まずはそれ!!!
遡って話しましょう。
正直な話をすると今回望さんの舞台連勤オタクとしては珍しいぐらい最低限しか押さえてなかったんですよね。
というのも私、ビュティゲが本当に大好きで大好きで、いまだに日生に魂があるんですけどそれを超えられるのか!?というのが一つ。
あとは望さんのリアリストなところがめちゃくちゃ好きな分、死神というファンタジーな役をやることが想像つかなくて、これはどうなんだ!?ハマるのか!?っていう不安。
まぁ蓋を開けて見た結果なんてもうおわかりですね。望さんに心配したところで「あ!!大丈夫ですね!!」になるのを私は毎年やってる。
初日、死神のペストマスクとマント姿。
顔がほぼ見えないけど死神だから望さんだ。
歌い出した途端、双眼鏡出して思わず唯一見える目を確認した。
誰?!?!?!?!?!?!?
ドルオタって何十人の声の中から自担の声探すの慣れてる人種じゃないですか。直前でカミガタもあったしなおさら。
一人しか歌ってないのにそれでも本当に望さんか疑いたくなった。聞いたことのない声、聞いたことのない発声。
その衝撃はしばらく、それこそ死神がパパと約束を取り付けて上機嫌に帰っていくまで続いた。
もうこの時点で後悔ですよ。チケットの枚数。
去年のビュティゲがミュージカルには珍しいぐらい民謡ベースなメロディでよくも悪くも決して王道のミュージカルとは言い難かった分、今回はめちゃくちゃクラシカル。なんならディズニー(ブロードウェイ版聴きまくってた時点で淳太くん絶対好きじゃんって言ってた)
だから普段の歌い方とも変える必要はあるんですけどだからといって、ここまで「聞いたことない!」レベルのものを用意してくるとは思ってなかった。
そのあとサーキ王子として出てくるともうきらっきらで!もちろん顔もスタイルもそうなんですけど、Alive!のときに初めて「音がキラキラしてる」っていう経験をした気がする。
死神の低音とは違って間違いなく望さんの声なのに音の粒ひとつひとつで殴られるような経験。
こんなの知らない、知ってるはずなのにこの人の底何も知らなかったんだ!
初日の幕間、本当頭くらくらしすぎて何も覚えてないんですけどいまみたら「エリザじゃん!!!!!!!!!!」って呟いてた。そうだね。
内容的には誰かのつぶやきで見た「陽キャのエリザ」がまじ的確すぎてそれとしか言いようがないんですけど、パンフレットで生田さんがおっしゃってた「人生のレッスン」が全てだと思います。
たった2日で死の淵しか知らなかった死神が太陽の暖かさ、目玉焼きの味、柔らかな布の感触、誰かと言葉をかわすこと、見つめ合うこと、手が触れ合うこと、キスをすること、衝動的なほど誰かを愛してしまうこと、自分がやってきたことを責められること、決意、悩み、最後は「自分で決めた終わり」に向かっていく。
そこに寄り添うのがある種、「人生の延長戦」のようなグラツィアというのがめちゃくちゃいい構成だな〜と思います。
元からそうだったんだと思うんですけどロベルトがなくなって、箱入りに拍車がかかり、戦争真っ只中を経験してるはずなのにあの暗い時代にあったとは思えない眩さと純粋さ。それと同居するどこか死に憧れるような振る舞い。
そりゃ死神も興味持ちますわ〜と思うし、その眩さが死の暗さしか知らない死神の目を狂わせてしまったんだと思います。
グラツィアお二方とも初めましてだったんですが、本当同じ役で全くアプローチが違って楽しかったな〜!!!
同じ演者同士で深めあう機会が減る分、ダブルキャストというあり方には問題もあると思うんですけど今回はグラツィアというヒロインに対して違うアプローチがあったからこそ「こういう子なのかな」が見えた気がします、
山下さん!!顔が小さいかわいいかわいい顔が小さいでみてると埋め尽くされてしまうんですけどその顔の可愛さとは裏腹なはきはきとしたグラツィアの振る舞いが素敵でした。
美園さん!舞台がお久しぶりとは思えないほど歌声にパワーがあってどこかふわふわとした夢見がちで危ういグラツィア、なかなか彼女が掴めずにいた私にとって「こういう子だ!」を最初にくれたのが美園さんでした。
山下グラツィアはバンジージャンプが好きだけど美園グラツィアは崖の下覗き込んで「綺麗〜」って言うタイプってずっと言ってたけどわりかし的確だと思ってるよ!!笑
他のキャストもよくて、とくにとんちゃんの存在はありがたかったです。
本当ビュティゲでも思ったけどあげ調子な人じゃない!?キンキーも後半の日程で抑えたほうがいいのかなって顔してる。
今回わりと前の席で見る機会に恵まれたんですけど近くに来ると顔かっこいいよりでかすぎて「壁だ」になってた。
出番少なめですがその分ロベルトの瞳のフルパワーがすごかった。あそこだけ戦争ドキュメンタリーものになってる。ジャンルが。
今回の配役がビュティゲきっかけだったらしいので「ロベルトと二人で一つやったんやね…」になりながら「でも去年は後ろの怖い人と青春アミーゴだったんだからぁ!!!」になってた。あとみんな言ってると思うけどエリックが「どこかでお会いしたことが」で心臓を抑えたよね、ビュティゲゾンビのみんな!!!
デイジーとアリスも可愛かった〜!!
つられてSIXのチケット抑えてるオタクをめちゃくちゃ見たんだけどわかるよ、やるよね。
アリスが結婚指輪をつけ続けてるの千秋楽にして初めて気づいたんですが、本当にロベルトのこと愛してたんだろうな。忘れたくて奔放な振る舞いをしてけど寸手のところでやめるところとか、デイジーを見つめるお姉さんらしい視線とか魅力的な女性だった。
デイジーは後半になればなるほどかわいい!!というか、年齢が一人だけ下らしいというのを知ってから「なにそれかわいい!!」だった。いやでも絶対コラードよりいいやついるって!!!!
そんな実力派キャストの中で主演をやるって本当どれだけプレッシャーなんだろう。
去年も若手の中でもばりばり第一線のキャストの中でミュージカル初挑戦!主演!は大変だったろうなと思うんですけど、年がめちゃ近くてSNSからも部活感が伝わってきた分、今年のプレッシャーはまた違ったのかな。
とくに後半は話題が話題を呼んで「小瀧さんとはどんなもんや」で見にきてくれる人がふえて上がり続ける期待値は嫌でも伝わってたと思うんですけどそんな中で舞台にピシャッと立って座長として深々とお辞儀をする姿は本当この人ってかっこいい人だ!!と心の底から思ってた。
好きな楽曲も思い出深い曲もたくさんあるんですけどやっぱりI Thought That I Could LiveとOne More Dayの二曲かな。
パパとの直前のやりとりの時点で望さん泣いてることが多くてそのまま大ナンバーに突入するの、めちゃくちゃ大変だと思うんですけど泣きながらでも音がぶれないのすごかった。
大千穐楽の終わった後の胆力を使い果たしたような、本当にそのまま消えちゃうんじゃないかってぐらい何もかも絞り出したような顔が忘れられなくて、あそこで許されるなら全然スタオベしてたよ。
One Day Moreはこれも千秋楽の話になっちゃうんだけど「もう少しだけここにいたい」の「ここ」でステージを指さしてて、もちろんそれは死神としてのお芝居なのはわかってるんだけど、同じぐらい役者としての望さんがこの舞台の上で、あと一分一秒だけでも長くここにいたいのかもしれないと思って、大千穐楽の1番のわたしの嗚咽箇所、ここです。
なんというんだろうなぁ、デスホリってお話として私の感性的にそんなにぼろぼろ泣くような作品ではないと思うんですけど、望さんをはじめとしたキャストの熱量にあてられて泣くことが多かった気がする。
そういう感情の引っ張られ方をする舞台だった。
舞台が始まる直前のインライ、何気なく「一生舞台に立つ」って言ってくれたこと、大祭りで「Life」と銘打ったブースにいままでの台本を出してくれたこと、その行動と言葉の下にある「舞台を愛してる」という感情が望さんの中で一秒でも長く、色濃く続いてほしい。
それがある限り、わたしも舞台の上にいる望さんから一瞬も目を離したくない。
でもなにより舞台が小瀧望という役者を手放したがらないんじゃないか。そんな実感だけはいまひしひしとあります。
改めて本当にお疲れ様でした!
素敵な週末をありがとう、またどこかでサーキ王子の姿を借りてひょっこり戻ってきてくれることを願って。
#デスホリ #WEST